キャブ株式会社Recruiting

キャブがつなげた思い出のストーリー

決してへこたれない
タフな相棒。

 「2軍落ち」。かつては外出時に着ていたけど、諸事情で部屋着やパジャマとして余生を送るTシャツのことをそう言うらしい。私にはとっておきの2軍Tシャツがある。

 大学生の時、最寄りの駅前のライブハウスでアルバイトしていた。ライブのほかに、昼間はフラダンス、夜はビアガーデンなどイベントスペースとしても使われていたそのライブハウスの名前は「SHELTER(シェルター)」。地方都市で学生生活を送る若者たちとっての、羨望のオシャレスポット。もともと音楽が大好きな私は、イベントサークルの先輩から紹介してもらったこのバイトに飛びついた。

 バイト初日、制服としてオリジナルTシャツが渡された。バーガンディ色のTシャツは、店舗外観の赤レンガをイメージしているという。胸と背中には、オーナーの友人デザイナーがデザインしたクールなロゴがプリントされている。サイズ感もちょうどよく、適度な厚みのある生地は肌触りも抜群だ。何よりTシャツを着ると、「このライブハウスの一員になれたんだ」という高揚感があった。

 バイトは週2回。下宿先のアパートからTシャツを着て、原付に乗ってバイトへ行く。夏は1枚で、冬は下にロンTを着込んで。お気に入りだったけど、決して大事に大事に着ていたわけではない。バイトしていた3年間はガシガシ洗濯して、ハードに扱った。

 大学を卒業する時、Tシャツは記念にいただいた。「しっかりした生地だから本当は返してもらって、次の子に使ってもらおうと思ってたんだけど。みんな気に入っちゃって返してくれないんだよ。」とオーナーは苦笑いしていた。100枚単位でオーダーしたTシャツは、気がつけばほとんど無くなっていたそうだ。

 卒業してから4年。今は散歩や近所のコンビニまでのワンマイルウェアとして愛用している。濃色だからさすがに少し色あせが出てきたけれど、大学時代から合わせて7年も着ているのに、首リブはまったく伸びていなくて、全体もほとんどへたれていない。

 このTシャツは、United Athle 5942-01。昔からある定番商品。キャブで営業を始めた時、杉浦常務に「タンスの中を見てきてごらん。うちの製品がきっとあるから。」と言われ、まっさきに思い浮かんだのが、SHELTERのTシャツだった。「やっぱり」という感じだった。

 5942-01は着ていただけの当時にはわからなかったこだわりが、たくさん詰まった商品ということを知った。一般的なTシャツと違い、洗濯縮みが出ないよう縫製前の生地に1回洗いをかけている。首リブが伸びなかったのは、強度を保つダブルステッチを採用していたからだ。さらにコーマ糸という高級綿糸を使っているから、毛羽立ちが少なく肌触りが良い。

 Tシャツはとても簡単な作りの服だ。服としての形だけ成せばいいなら、安い材料を使い工程を省略すればいい。実際、数回しか着ないようなプロモーション用途のTシャツだったら、多少品質は劣っていても安いほうが顧客は助かるだろう。

 でも、キャブはモノづくりにとことんこだわる。社員はみんな「ちょっと高くても、ちゃんしたものを届けよう。」と思ってやっている。いいものを世の中に提供しているから、仕事にプライドが持てる。自信を持って、お客様に、その先のエンドユーザーにお勧めできる。だって、1回洗濯しただけで首が伸びちゃうようなTシャツだったら、2軍落ちにもならないじゃない。

 お土産で買ったTシャツ。何かの記念でもらったTシャツ。とっておきのオシャレ着とは違うのだけれど、「なぜか、このTシャツ着心地いいんだよね」とつい袖を通してしまう捨てられない2軍Tシャツがあったら、もしかするとUnited Athleの製品かもしれない。

桑野 莉子KUWANO Riko

 アパレルメーカーを中心に営業をしている桑野。キャブは競合他社と比べても品質面で絶大な信頼を得ていると感じる場面が多いと言う。製品は現地の生産工場で全数検品をして、さらに自社の抜き取り検品や第三者検品等を経て、日本に輸入されているからB品率がとても低い。多少高くてもメリットがあるから、乗り換えた顧客はなかなか離れないそうだ。